8月2日開花

フシグロセンノウ

山道でこの花にはじめて出逢ったとき
とても単純な形に
単調なオレンジ色が分かりやす過ぎて
これはやがては飽きてしまうんだろうなぁ…と思い
少しあれば十分かと
2~3株植えて、気にも留めてはいなかった

ところが一年一年印象が変わり
今ではとても大切な心の花として居る
盆休みの最中に開花し、
真夏のサイレンが鳴る黙とうのとき
祖先への祈り、甲子園の歓喜の中で
この時期唯一の花として咲いているのである

色濃い葉群れの中で際立って、哀しげでやさしいのである

風車のような花が
今は亡き恩師や感謝を想起させる不思議な力を持っている

単純な姿や単調なオレンジ色が心の扉を開くのか
この花を見つめると数秒無言の時が流れる
雨に濡れたフシグロセンノウを
濡れたまま見つめる時間が流れる

フシグロセンノウは
あの頃を鮮明にして蘇らせる魔力の花

その祈り、祈り。